建物の外壁塗装は通常、十数年ごとに1度行われるメンテナンスですが、実は塗装が不要な場合もあります。これは、外壁に使われている素材がしっかりとした耐久性を持っていることが理由です。今回は、外壁材の中で塗装不要な素材に焦点を当ててみましょう。

1. タイルの優れた耐久性

素材特性: タイルは石や砂、粘土を高温で焼き固めたもので、基本的には塗装の必要がありません。耐用年数は約30年で、その期間内は外壁の色褪せや劣化がほとんど見られません。

特徴: 無機物からできたタイル自体が抜群の耐久性を持ち、紫外線や雨風にも強いため、変色や劣化が起こりにくい外壁材です。耐候性が高いのがタイルの大きな特徴と言えます。

2. レンガの優れた耐用性

素材特性: レンガは粘土や泥を焼き固めたもので、耐用年数は50年以上とされています。水を吸い込まないため水の膨張による割れがなく、温度変化にも強い素材です。

特徴: 耐火性が高く、外壁が伸縮することもありません。しかし、重量があるため地震が多い日本ではリスクが高まり、施工費用もかさみます。

3. 樹脂系サイディングの優れたメンテナンス不要性

素材特性: 樹脂系サイディングは、塩化ビニルで作られた外壁材で、外壁塗装のメンテナンスが不要な素材として知られています。耐用年数は約25年〜30年間とされています。

特徴: 耐水性や耐久性に優れ、耐腐食性がありひび割れしにくい特性を持ちます。また、軽量で耐震性にも優れており、寒冷地での凍害も起こりにくいメリットがあります。

デメリット: 日本ではまだ施工できる業者が限られ、樹脂系サイディングを使用したい場合は業者を見つけるのが難しいというデメリットがあります。

外壁材の素材によっては、外壁塗装が10年に一度の必要性が低いものも存在します。建物の設計や気候条件、所有者のニーズに合わせて、耐久性が長く塗装不要の素材を選択することで、メンテナンスの手間と費用を削減できるでしょう。